2015年 01月 30日
引き続き、「2105年01月 京都旅行(2)」をご覧ください。 1月6日(火) 冷雨降りしきる中、西本願寺、三十三間堂、八坂神社、東寺および錦市場を散策しました。 西本願寺 浄土真宗本願寺派の本山で、顕如上人が秀吉の京都市街経営計画に基づいて、現在地に寺基を移すことに決め、文禄元年(1592)に阿弥陀堂・御影堂の両堂を完成させました。顕如上人の死後、長男・教如上人と三男・准如上人の後継者争いが勃発し、准如上人が継職する事になりました。一方、教如上人は家康に接近し、現東本願寺の寺地を寄進して貰い、大谷派本願寺を興すことになりました。この時点で、本願寺は西と東に別れたそうです。家康は、本願寺勢力の分裂を画策し、東本願寺を興させたとも言われています。 建造物で国宝に指定されているのは、阿弥陀堂、御影堂、飛雲閣、唐門など多数あります。 御影堂門 御影堂門とその奥の阿弥陀堂 阿弥陀堂内部 宝暦10年(1760)に再建された東西42m、南北45m、高さ25mの木造建築です。中央に阿弥陀如来の木像、左右にインド、中国、日本の念仏の祖師七師と聖徳太子の影像が安置されています。 阿弥陀堂と御影堂の連絡通路と獅子の屋根瓦 御影堂内部 御影堂は、寛永13年(1636)に建立された東西48m、南北62m、高さ29mの巨大な木造建築です。中央に親鸞聖人の木像を安置し、左右に本願寺歴代門主の御影が安置されています。 境内にある銀杏の老木 国宝「飛雲閣」 金閣、銀閣と共に京都三名閣の一つで、秀吉が建てた聚楽第の一部と言われている三層の楼閣建築です。 御影堂から垣間見た飛雲閣 二層と三層だけが見えました。 飛雲閣の豪華な姿(写真) 国宝「唐門」 桃山時代の豪壮・華麗な彫刻で飾られた檜皮葺・唐破風の四脚門で、伏見城の遺構といわれています。彫刻の見事さから「日暮しの門」とも呼ばれています。 冷雨の降りしきる中、「日暮しの門」の素晴らしい彫刻を寒さも忘れて、暫らくの間眺めていました。写真にも多数の雨脚が確認できると思います。 西本願寺の門前町の入口にある総門 この総門から先の道の両側に多くの仏具屋さんが建ち並んでいます。 門前町にある「伝道院」 門前町の奥に、ドームのある煉瓦造りの建物があります。それが西本願寺の伝道院です。 舌を出した妖怪? 建物の周りには、動物か妖怪か分からないようなユニークな彫刻が多数置かれていました。 門前町を通ってバス停まで行きました。仏具屋さんは勿論のこと、法衣屋さんなどを見ながら雨の中を歩きました。 途中、千枚漬で有名な京漬物「西利」の前を通りました。店頭に積み上げられた千枚漬用の蕪を見つけ、早速カメラに収めました。 京漬物「西利」 三十三間堂 長寛2年(1164)、後白河法皇の勅命を受けた平清盛が離宮の一角に創建したもので、正式には蓮華王院といいます。一般的には、本堂内陣の柱間が33あることから「三十三間堂」と呼ばれ、親しまれています。国宝の本堂は全長約120mあり、高さ3m余の国宝の「千手観音坐像」を中心に、1001対の千手観音立像がずらりと並んでいます。また、千手観音立像の前列には、二十八部衆像(国宝)が建ち並び、堂内両端にはこれまた国宝の風神・雷神像が安置されています。その圧倒的なスケールの大きさと素晴らしい彫刻群を見ていると、よくぞ残ったものだと心が熱くなる思いで一杯になりました。それにしても、深々と寒さが身に沁みる中での見学となりました。 雨中に佇む三十三間堂 雨に濡れる庭と遠方に見える本堂 本堂東側の柱と扉 通し矢を行った本堂の西側風景 通し矢の鏃で傷がつかないように鉄板を巻いた柱 朱塗りの回廊とその前で雨に濡れて立つ南天と楓の木 雨に濡れる結ばれたお御籤 池に置かれた石や水面にできる雨模様 三十三間堂を見学後、冷えた体を温めようとお昼を摂る事にし、バスで八坂神社の方へ移動しました。温かい食事を摂って気分一新、八坂神社へ向かいました。幸いなことに、空模様も小雨になり、気持ち良く境内を散策することが出来ました。 八坂神社 地元では「祇園さん」と親しまれ、祇園祭はこの神社のお祭りです。祭神は、須佐之男命、櫛稲田姫命などで厄除けや商売繁盛の神様として広く信仰を集めているそうです。四条通りの東端に立つ朱塗りの西楼門は祇園のシンボル的建物として有名です。 40年前の大晦日に「をけら参り」に行った事を思い出しました。 西楼門 西楼門前に鎮座する阿吽の狛犬 提燈で飾られた舞殿 八坂神社の本殿 八坂神社の参拝者たち 雨の中でも和服姿で参拝する女の人を数名見かけました。 舞殿をバックに「自撮り」中の和服姿の女性たち お御籤売り場前の風景 キツツキの仲間「コゲラ」 南楼門横の桜の樹にコゲラを見つけました。早速、シャッターを切りました。 東寺 正式には「教王護国寺」という東寺は、平安遷都から間もなく王城鎮護の官寺として建設が始められました。都の正門である羅生門の東西に官寺が造られました。東寺と西寺がそれです。西寺は中世に廃絶されたといわれています。東寺は光仁14年(823)、嵯峨天皇より弘法大師空海に下賜され、真言密教の根本道場として発展しました。何度も戦乱に巻き込まれ伽藍を失いましたが、その都度時の権力者や庶民に支えられ今に至っています。講堂に安置された「立体曼陀羅」と呼ばれる仏像21体は実に素晴らしく、何度見てもその都度心を揺さぶられます。たまたまこの期間は、五重塔内部の「特別公開」中で、幸運なことに内部をつぶさに見学することが出来ました。 東寺「東門」 東門から見た五重塔 五重塔 正保元年(1644)徳川3代将軍家光の再建といわれています。最初の五重塔の創建は元慶7年(883)頃ですが、落雷による焼失と再建が繰り返され、現在の塔は5代目だそうです。高さは約55mで、現存する古塔の中で最も高いそうです。 五重塔の屋根 五重塔の風鐸 五重塔の釘隠し 講堂と金堂および五重塔 金堂 慶長8年(1603)、豊臣秀頼が再建した桃山時代の代表的な仏堂建築だそうです。堂内には仏師・康生作の薬師三尊像が安置されています。 講堂と金堂 手前の講堂には、仏像21体(内、15体は創建当時の傑作)が立体曼陀羅風に安置されています。中央に大日如来を中心に五智如来、左右に五菩薩と五大明王を安置し、両端に梵天・帝釈天、4隅に四天王を配したものです。 東寺を見学した後、茶店でひと休みしました。茶店の横の池にアオサギが遊びに来ていましたので、カメラに収めました。 アオサギ 池に置かれた石の上で毛繕いをしていました 東寺からバスで四条河原町まで行き、新京極や錦市場などをぶらぶら散策しました。 錦天満宮 中京区新京極にある菅原道真を祀る神社です。京の台所として有名な錦市場の東の端にあり、学業は勿論、商売繁盛にも御利益があるとのこと。 提燈灯る錦天満宮 撫で牛 おみくじを運ぶ獅子 お御籤を買うと、獅子舞姿の人形がお御籤を運んで来てくれます。 錦市場 伊藤若冲の生家跡 伊藤若冲はこの錦の青物問屋に生まれましたが、家督を次弟に譲り、絵画三昧の生活を送っていた?と言われています。 錦市場商店街の風景 京の台所と言われ、四条通りの一本北に位置し、延長390mある商店街で、126店舗が営業しているそうです。京都の旬の食材や京野菜,京漬物、その他佃煮、蒲鉾、干物、豆腐・湯葉などもここで入手できます。 帰りに京都高島屋に寄り、デパートの中を見て廻りました。ショーウインドーに面白い雛人形があったので、シャッターを切りました。 高島屋の包装紙を着たお雛様 1月7日(水) 午前中に龍安寺と大徳寺を見て廻り、その足で帰宅します。 龍安寺 宝徳2年(1450)この地にあった徳大寺家の別荘を譲り受けた室町幕府管領の細川勝元が、妙心寺の義天玄承を開山に迎え、禅寺を建立したのが始まりといわれています。 余りにも名高い石庭は、方丈の南側にあり、方丈の広縁から眺めることができます。白砂を敷き詰めた75坪程の広さに15個の石を配した枯山水の平庭で作者は勿論、作庭年代も不明とのこと。石の配列の妙から「虎の子渡しの庭」とも呼ばれています。 門松の立つ山門 参道を掃き清める人たち 参道脇に祀られた石仏 龍安寺の庫裡 庫裡の玄関に飾られた衝立と屏風 虎の子渡しの庭 方丈内部および襖絵 知足の蹲踞 方丈の北にあり、水戸光圀の寄進といわれる銭形の蹲踞です。上面四方に文字が刻まれ、中央の水穴を「口」の字として共用し、「吾唯足知」と読むそうです。 勅使門と白壁に映る樹の影 境内の庭園風景 苔の中に置かれた石 苔の庭に散り敷く紅葉 朽木に芽生える若木 『生生流転』? 鏡容池越しに見た辦天島 鏡容池で遊ぶ家鴨や鴨たち 大徳寺 臨済宗大徳寺派大本山で、龍寶山大徳寺が正式名称です。本尊は釈迦如来で、開祖は大燈国師(宗峰妙超)で、正中2年(1325)に創立された禅宗寺院です。境内には三門、仏殿、法堂をはじめとする中心伽藍のほか、20か寺を越える塔頭が建ち並び京都でも有数の規模を誇る禅宗寺院であります。大徳寺は一休宗純をはじめ多くの名僧を輩出し茶の湯文化など日本の文化に多大な影響を与えてきた寺院でもあります。侘び茶を創始した村田珠光を始め、武野紹鴎、千利休、小堀遠州など多くの茶人が大徳寺と深い関係をもっています。 勅使門 三門(金毛閣) 千利休がこの三門を単層から重層に改築した際、上層に「自分の草履履き姿の像」を安置した。そのことに激怒した秀吉は、千利休に切腹を命じたといわれています。真偽のほどは? 仏殿(本堂) 塔頭「三玄院」 石田三成の墓所。六条河原で処刑された石田三成の遺骸は大徳寺の春屋宗園に引き取られ、三玄院に埋葬されたといわれています。 塔頭「総見院」 「本能寺の変」の後、織田信長の一周忌に間に合うように豊臣秀吉が建立した寺院で大徳寺・塔頭のひとつであります。 塔頭「真珠庵」 永享年間に、大徳寺を復興した一休総純を開祖として創建された寺だそうです。 大徳寺境内の石畳を散歩する保育園の子供たち 塔頭「大仙院」 永正6年(1509)の創建で、書院の庭園は室町時代に大聖国師が作庭した枯山水の傑作といわれています。鶴や亀、蓬莱山を表す石が配され、そこから流れ落ちる滝が、やがて大河になり、方丈南側の大海へ注がれて行く様を表現しているそうです。内部は、残念ながら撮影禁止でした。ここでも、50年前に見た時の感動が甦ってきました。 大仙院の前庭 枯山水庭園(写真) 塔頭「瑞峯院」 ここは写真撮影OKでした。 九州のキリシタン大名として知られる大友宗麟が菩提寺として創建した寺で、瑞峯院と言う寺号は宗麟の法名から名付けられたそうです。 瑞峯院の前庭 枯山水の庭園「独坐庭」 蓬莱山式庭園で、蓬莱山の山岳から半島になり、絶え間なく大海より打ち寄せる荒波にも雄々しく独坐する大自然を表現している枯山水だそうです。 枯山水の庭園「閑眠庭」 「閑眠高臥して青山に対す」という前後から命名された庭で、枯山水の砂利の庭を斜めによぎるように縦4個、横3個の石が十字架に組まれ、万民の霊を弔っているそうです。 瑞峯院の茶室 大徳寺境内で見つけた石仏群 大徳寺を見学した後、京都南インターから名神高速道路に乗り、家路につきました。途中、大津SAで休憩中に琵琶湖の上に虹が架かっているのを見ることが出来ました。 大津SAで見た虹 以上で本ブログを終了します。 最後まで見て頂き、本当にありがとうございました。感謝!感謝!!
by mda-vinci
| 2015-01-30 11:29
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